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多田 健一; 山本 章夫*; 国枝 賢; 長家 康展
JAEA-Data/Code 2022-009, 208 Pages, 2023/02
核データ処理コードは評価済み核データライブラリと核計算コードを繋げる重要な役割を担っている。日本原子力研究開発機構はJENDLやENDF/B、JEFF、TENDLなどの評価済み核データライブラリーを処理するため、2013年より核データ処理コードFRENDYの開発を行っている。FRENDY第1版は2019年にリリースされた。FRENDY第1版では、PHITSやSerpent、MCNPなどの連続エネルギーモンテカルロ計算コードで用いられるACEファイルの生成が可能である。FRENDY第2版では、多群の中性子断面積をACEファイルから生成可能になった。また、そのほかの主な改良点は、(1)非分離共鳴領域の断面積の自己遮蔽効果を取り扱う確率テーブルの統計的不確かさの定量化、(2)連続エネルギーモンテカルロ計算コードを用いた不確かさ解析のためのACEファイルの摂動、(3)ENDF-6形式の核データファイルの編集、の三点である。本報告書ではFRENDYで用いられている核データ処理手法とFRENDYの入力について説明する。
橋本 周; 木名瀬 栄; 宗像 雅広; 村山 卓; 高橋 聖; 高田 千恵; 岡本 明子; 早川 剛; 助川 正人; 久米 伸英*; et al.
JAEA-Review 2020-071, 53 Pages, 2021/03
原子力機構は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づく指定公共機関として、原子力災害や放射線緊急事態が発生した場合には、災害対応に当たる国や地方公共団体の要請に応じて人的・技術的支援を行う。防災基本計画及び原子力災害対策マニュアルでは、原子力機構は原子力緊急時において公衆の被ばく線量の推計・把握を支援することが要求されている。しかし、その支援について、基本方策,調査対象,調査方法,実施体制等について具体的かつ詳細には検討されていない。本報告では、公衆の緊急時被ばく線量の推計・把握に関する技術的支援について、原子力緊急時支援・研修センター内に設置された「緊急時の線量評価検討WG」において調査・考察した結果を報告することにより、国や地方公共団体、及び原子力機構内における今後の具体的かつ詳細な検討及び活動に貢献することを目的とする。
長家 康展; 奥村 啓介; 森 貴正; 中川 正幸
JAERI 1348, 388 Pages, 2005/06
高速かつ高精度な中性子・光子輸送モンテカルロ計算を実現するため、2つのベクトルモンテカルロコードMVPとGMVPが日本原子力研究所において開発されている。MVPは連続エネルギー法、GMVPは多群法に基づいている。これらのコードはベクトル計算機上において、既存のスカラーコードに比べて10倍以上の高速化を実現している。両コードは正確な物理モデル,詳細な幾何形状表現法,分散低減法等、実用コードとして十分な機能を有している。これらコードの第1版は1994年に公開され、これまで広範囲にわたって改良及び新機能の追加がなされてきた。主な改良点と新機能は(1)ENDF-6形式のファイル6を用いて表現された散乱モデルへの対応,(2)時間依存タリー,(3)ポイントワイズ応答関数を用いた反応率計算,(4)柔軟な線源の指定,(5)任意温度における連続エネルギー計算,(6)固有値問題における分散のバイアス評価,(7)点検出器及び面検出器評価法,(8)確率論的幾何形状モデル,(9)炉雑音解析機能等である。本報告書では2つのコードで用いられている物理モデル,幾何形状表現法,新たな機能及びそれらの使用法が記載されている。
中性子施設開発グループ
JAERI-Tech 2004-059, 106 Pages, 2004/10
原研-KEKの大強度陽子加速器計画(J-PARC)の主要施設の1つとして、物質・生命科学実験施設の建設が進められている。施設建家の東西に配置される第1,第2実験ホールにはさまざまな実験装置が設置され、施設から供給される中性子及びミュオンビームを利用して実験的研究が行われる予定である。本マニュアルは、2004年6月時点において、実験装置の設計及び設置にあたり必要な施設側の情報を提供するとともに、施設側と実験装置設置者側との取合い点をまとめたものである。
坂下 哲哉; 横田 裕一郎; 和田 成一; 舟山 知夫; 小林 泰彦
JAERI-Tech 2004-007, 91 Pages, 2004/03
マイクロビームシステムは、マイクロラジオサージャリ研究やバイスタンダー効果のような細胞間コミュニケーションの直接的な検証のための強力なツールである。生物照射を目的とした原研高崎のマイクロビームシステム(MiST-BA)は、数年前より開発が進められ、いくつかの事例で成果を挙げている。その中には、カイコ卵の発生運命予定図やバイスタンダー効果(細胞増殖の抑制,小核の誘導,その他)がある。このレポート(利用手引書)の目的は、現及び新規ユーザーのためにMiST-BAでの単純で簡単な生物照射の方法を提供することである。MiST-BAは、3つの部分から成る。(1)細胞の位置決め及びイメージ取り込みのためのオフライン顕微鏡コントロールシステム,(2)細胞への照準とマイクロビーム照射のためのオンライン顕微鏡システム、そして(3)正確な個数の重イオンを細胞照射するためのシャッター・コントロールシステム。このレポートでは、MiST-BAの概要,各々の部分の操作プロトコル,CHO-K1細胞,カイコ卵、及びタバコプロトプラスト細胞を使ったマイクロビーム照射実験の例、及びトラブル対処について述べる。
伊藤 治彦; 本間 建三; 板橋 行夫; 田畑 俊夫; 明石 一朝; 稲場 幸夫; 熊原 肇; 高橋 邦裕; 北島 敏雄; 横内 猪一郎
JAERI-Review 2003-024, 76 Pages, 2003/10
JMTRでは、平成14年12月6日に原子炉一次冷却系がある部屋の漏水検知器が作動したため、ITVで漏水の観察を続けたが、12月10日になって計測用配管からの漏水を発見して原子炉を手動で停止した。本計画外停止に関しては「JMTR計測用配管水漏れ調査委員会」において、漏水発生の原因と対策のほか、漏水検知器の作動から原子炉の手動停止に至る4日間の安全管理に関する問題指摘とその対策の検討を行った。その後、委員会報告を受け、水漏れ発生箇所の修復と類似箇所への水平展開を図るとともに、原子炉施設の安全運転のために必要な設備の改善と運転手引きの改善,教育訓練,情報の共有化,品質保証活動の充実など、具体策を実施した。本報告書は、これらの対策の実施結果についてまとめたものである。
桐山 幸治*; 塩飽 秀啓; 戸澤 一清*
JAERI-Tech 2003-061, 21 Pages, 2003/07
X線の質及び強度を向上させるために、BL11XUでは液体窒素冷却したシリコン分光結晶(Si(111)とSi(311))を導入した。その分光結晶の冷却には内部循環方式の液体窒素循環冷却装置を採用した。この液体窒素冷却シリコン結晶を導入した後に放射光利用実験を円滑に進めるためには、液体窒素温度付近まで分光結晶を、安全かつ短時間に冷却することが望まれている。しかし、これまでは簡便な取り扱い説明書しか無く、立ち上げ手順や操作手順が系統的にまとめられていないために、必ずしも効率の良い作業ができるとはいえなかった。そこで今回、BL11XUで使用するために液体窒素循環冷却装置の取り扱い上のノウハウを含む系統的な手順書としてまとめた。その結果、装置本体の立ち上げを間違いなく確実に行うことができるようになり、速やかな装置立ち上げが可能となった。
塙 悟史; 伊与久 達夫
JAERI-Data/Code 2001-021, 150 Pages, 2001/08
炉心耐震解析コード「SONATINA-2V」は、六角柱状の黒鉛ブロックが積層されたHTTR炉内黒鉛構造物の地震時の挙動を解析するコードである。本コードは、本体プログラムの他にSONATINA-2Vへの入力データを作成するためのプリ・プロセッサー及び解析結果のデータ処理,図形処理等を行うためのポスト・プロセッサーから構成される。「SONATINA-2V」コードは、原研の大型計算機「MSPシステム」にて稼働するよう開発されたものであるが、計算機の技術進歩に伴い大型計算機「MSPシステム」が廃止されたため、コードを原研のUNIX機「SR8000」で稼働できるよう本解析コードの改良及び整備を行った。本書は、UNIX機で稼働する「SONATINA-2V」の使用方法についてまとめたものである。
高橋 知之*; 武田 聖司; 木村 英雄
JAERI-Data/Code 2000-041, 108 Pages, 2001/01
原子炉施設等から発生する放射性廃棄物のうち、放射性核種濃度が極めて低いために、それに起因する線量が自然界の放射線レベルに比較して十分に小さく、人の健康へのリスクが無視できるものであれば、当該物質を放射性物質としての規制管理からはずすことが考えられている。この行為をクリアランスといい、その核種濃度をクリアランスレベルという。原子力安全委員会のクリアランスレベル導出にあたっては、パラメータ値に平均的な値あるいは保守的な値に対する決定論的手法が用いられた。また、決定論的手法により導出されたクリアランスレベルの妥当性を確認するため、あわせて確率論的解析を実施した。この解析を行うため、モンテカルロ法による確率論的解析コードシステムPASCLRを開発した。本報告書は、PASCLRコードの構成及び使用法について記述したものである。
高橋 正俊*; 永井 晴康; 茅野 政道
JAERI-Data/Code 2000-028, 105 Pages, 2000/09
チェルノブイル事故を契機として、原研では世界の原子力事故に対して、最大で半地球規模までの放射能の拡散をリアルタイムで予測できるシステムWSPEEDIの開発を行ってきたが、今般、国際的なシステム評価研究などを通して、システムが実用的に用いることのできる段階にあると判断した。そのため国際的な情報交換ネットワーク(地球環境安全ネットワーク)を米国、欧州やアジアの原子力研究機関に展開し、事故情報や予測情報の迅速な交換手段の確立を図ることとした。本手引きでは、事故時の環境データや予測計算結果の専用ホームページへの登録、検索、管理と、電子会議システムの使用方法について述べる。
古野 朗子; 茅野 政道; 山澤 弘実
JAERI-Data/Code 99-044, p.68 - 0, 1999/10
世界版緊急時環境線量情報予測システム(WSPEEDI)の広域用3次元濃度・線量予測モデルGEARNについて、モデル方程式、コード内容、モデル使用法及び関連情報をまとめた。GEARNは多数の粒子群をランダムウォーク法で追跡することで、放射性物質の移流・拡散を計算するモデルであり、質量保存則を満たす風速場を計算する診断型モデルWSYNOPからの3次元風速場を入力して、地形を考慮した数千kmスケールの3次元濃度分布、地表沈着量、公衆への被曝線量を計算する。モデルコードは並列ベクトル化されている。また、モデルコードはUNIX-OSであれば機種間の移行は容易であり、現在、VPP300、VPP500及びSUNワークステーションで稼動している。
山本 信夫
JAERI-Data/Code 99-023, 65 Pages, 1999/04
原子力発電プラントデータベースは、原子炉設置許可申請書を情報源として、国内の軽水型原子力発電所50基分の設計情報をデータベース化したものであり、平成7年度に日本原子力研究所大型計算機版を公開した。今回構築したインターネット版は、大型計算機版の格納情報のうち、「原子炉設置許可申請書・添付書類八 原子炉施設の安全設計に関する説明」に関する部分について、インターネットを通じて情報を提供できるようにしたものであり、設備や機器の形状、寸法、性能などの64,000点の情報を格納している。本報告書は、本インターネット版のデータベース構造、プログラム仕様、検索機能についてまとめたものである。
森 貴正; 中川 正幸; 金子 邦男*
JAERI-Data/Code 96-018, 121 Pages, 1996/05
ENDF/B形式で表現された評価済み核データファイルを処理して、連続エネルギーモンテカルロコードMVPの中性子断面積ライブラリーを作成するコードシステムを開発した。本コードシステムは9つの単体コードによって構成されており、最新のENDF/B-VI形式の核データを処理することができる。本コードシステムを用いて、4つの評価済み核データファイル(JENDL-3.1、JENDL-3.2、JENDL-FUSIONファイル及びENDF/B-VI)から、原子炉の炉心解析や遮蔽計算あるいは核融合中性子工学において重要な核種のMVP中性子断面積ライブラリーを作成した。本報告には、MVP中性子断面積ライブラリーの形式、ライブラリー作成コードシステム及びその使用法について記述されている。
内藤 俶孝; 小山 隆*; 長田 和男*; 奥野 浩
JAERI-M 93-171, 40 Pages, 1993/09
QUICRIは単一ユニットの実効増倍率及び臨界寸法の計算を簡便に行うコードである。データベースの操作、臨界条件データの計算及び図形処理の各機能を有するサブルーチン群から構成される。取扱える燃料の形状は、球・無限円柱及び無限平板の3種類である。反射体が付かない体系のみならず、付いた体系も取扱うことができる。核燃料の組成(プルトニウム富化度、ウランまたはプルトニウムの同位体組成、H/(U+Pu)原子個数比)をパラメータとした燃料濃度、無限増倍率、移動面積、拡散係数に関する情報に基づ、実効増倍率及び臨界寸法を修正一群の式に従って計算する流れになっている。計算結果はレーザー・プリンターに図形出力できる。本報告書は計算コードQUICRIの使用手引書である。
奥野 浩; 酒井 友宏*; 塩田 雅之*
JAERI-M 92-192, 105 Pages, 1992/12
核燃料濃度分布の不均一性が反応度に及ぼす効果について数値計算に基づき検討した。初めに、球形状及び円柱状の濃縮度100wt%ウラン-水及び濃縮度5wt%硝酸ウラニル水溶液を対象に、中心からの距離の2乗の1次式で表される燃料濃度分布を持つときの臨界量を求めた。次に、硝酸ウラニル水溶液及び硝酸プルトニウム水溶液を対象に、燃料インポータンス分布を平坦に近付ける方法で最適燃料濃度分布を求めた。さらに、濃縮度5wt%二酸化ウラン-水の均質混合燃料を対象に、最適燃料濃度分布及び中性子増倍率の計算結果に対する燃料の大きさ、形状、反射体の有無による影響を調べた。最適燃料濃度分布は、燃料の減速度が最適減速以上では中央部、以下では周辺部の燃料濃度を高める分布となった。反射体が付いた体系では、減速度が最適あるいはそれ以上で、中央部と反射体近傍両方の燃料濃度を高める分布も得られた。最適燃料濃度分布をとることにより、中性子増倍率は均一分布に比べ、相対的に0から4%増加した。一次元多群拡散近似を用いた最適燃料濃度分布計算コードOPT-Dの概要及び使用手引きを付録に記した。
木村 英雄; 高橋 知之; 島 茂樹; 松鶴 秀夫
JAERI-M 92-161, 72 Pages, 1992/11
計算コードGSRWは、高レベル廃棄物地層処分安全評価手法の中間バージョンとして開発されたものである。本手法で用いられた評価シナリオは、処分システムの性能が確率的事象によって影響を受けないと仮定した通常シナリオに基づいている。本コードは3つのサブモデルから構成されている:固化体、金属容器及び緩衝材で構成される処分施設からの核種漏出を評価するリースタームモデル、地層中の核種移行を評価する地層モデル、及び生態圏中における核種移行及び人間の被曝線量を評価する生態圏モデル。本報告書は、本コードの数学モデル、コード構造及び使用法を記述したものである。
藤村 統一郎; 筒井 恒夫
JAERI-M 92-121, 218 Pages, 1992/09
JSSLは、原研において開発・整備された科学計算用サブルーチンのうち、汎用性があると作成者が判断したものをライブラリ化したもので、次の16分野(特殊関数、線形計算、固有値問題、非線形計算、数理計画法、極値問題、変換、関数近似、数値微積分、微積分方程式、統計、物理問題、入出力、作図、システム関数、その他)に分類されている。この版は、前版までに集大成されたサブルーチンの中から評価済で公開可能なものを集めたものであり、本報告書はその使用手引書である。また、使用大型計算機に組込まれている類似のライブラリの非公開化が進む中で、JSSLは独立性を保ち、ソース・プログラムのレベルで参照できるなど、利用範囲の広いライブラリと言える。
山野 直樹*; 小山 謹二; 内藤 俶孝; 南 多善*
JAERI-M 91-201, 171 Pages, 1991/12
直接編成ファイルを用いたデータベースDATA-POOLを大型原子力コードのために開発した。データは簡単なノード名の指定によって格納・検索される。DATA-POOL処理パッケージはFORTRAN-77言語で作成されている。保守管理ユーティリティPOOLも併せて用意されている。DATA-POOLの典型的な応用例として、放射線遮蔽安全解析コードシステムRADHEAT-V4への適用を示した。DATA-POOLを他のシステムに適用する為の多くの使用例及びエラーメッセージについても述べている。本報告書はDATA-POOLの使用手引書である。
沢 和弘; 田沢 勇次郎*; 板倉 洋文*
JAERI-M 91-128, 33 Pages, 1991/08
高温ガス炉の事故時における、炉心からの核分裂生成物(FP)の放出量を解析するために、計算コードRACPACを開発した。本コードは、以下のような特徴を有している。(1)原子炉停止後の被覆燃料粒子からのFP放出割合を、換元拡散係数を用いた解析解に基づき計算する。(2)核種毎の換元拡散係数は、通常運転時におけるFPの放出速度と生成速度の比(R/B)のデータから計算することができる。(3)事故後の炉心温度挙動に伴う放出割合の変化を計算することができる。本報告書は、RACPACで扱っている被覆燃料粒子からのFP放出モデル、換元拡散係数の計算方法、使用方法及び計算例を述べたものである。
茅野 政道; 林 隆; 石川 裕彦; 横川 三津夫
JAERI-M 90-173, 23 Pages, 1990/10
原子炉事故時等の緊急時において、実時間でサイト周辺の風速場及び大気拡散・被曝線量を計算するコードを開発した。計算モデルは、3次元質量保存風速場モデルと大気拡散計算のための粒子拡散モデルである。これらの計算コードは、小型計算機を用いて運用された場合でも迅速な応答が可能となるように、風速場モデルに対して高速の反復計算法(MILUCR法)を、また濃度、線量モデルにカーネル法を導入した。本報告では、数値モデルの内容、計算コードの構成、関連入出力ファイル、計算例を示す。